2013年(50巻)第3号【HTML】

総説
母ドリ卵黄への免疫グロブリンの輸送機構 村井篤嗣 研究報告 遺伝・育種 ハト(Columba livia)のLDH-A遺伝子の多型
Sherif RAMADAN・山浦純一・三宅武・井上-村山美穂


大シャモと白色レグホーンに基づくF2資源家系における鶏肉色に関するQTLマッピング
吉田 農・石川 明・後藤達彦・後藤直樹・西堀正英・都築政起


(研究ノート)
コレシストキニンA受容体遺伝子の一塩基多型が比内鶏の発育形質に及ぼす影響  
力丸宗弘・武田尚人・上本吉伸・小松恵・高橋大希・鈴木啓一・高橋秀彰


飼料・栄養
ニワトリ血中脂質成分濃度と抗酸化能に対するケトジェネック飼料給与の影響
大津晴彦・矢ヶ部陽子・山崎信・村上斉・阿部啓之


AA(アーバーエーカー)ブロイラーの抗酸化活性と、体重および肉質に対する超臨界 CO2抽出チョウセンゴミシの影響
Junshu Yan・Anshan Shan・Huanyu Wang・Deying Ma・Changjiang Yan

産卵鶏飼料への生および加工カラスノエンドウ (Vicia sativa)添加が生産能、卵質、血中パラメータおよび肝臓組織病理学的状態に及ぼす影響
Adem Kaya・Mehmet A.Yörük・Nurinisa Esenbuğa・Aysel Temelli・Özlem Ekinci

高水準のダイゼイン給与が産卵鶏の産卵成績、卵質および抗酸化に及ぼす影響
Juan Cai・Shourong Shi・Huan Gu・Zhiyue Wang・JianminZou・Haibing Tong

Aspergillus awamoriおよびSaccharomyces cerevisiaeの飼料添加がブロイラーヒナの成長に及ぼす相乗効果;骨格筋におけるタンパク質代謝の促進および脂肪酸組成の変化
アハメド・A・サーレ・林國興・大塚彰


(研究ノート)
飼料へのヒスチジン、β-アラニン、酸化マグネシウムおよび血粉の添加がブロイラー胸肉のカルノシンおよびアンセリン濃度に及ぼす影響
Se Won Park・Chan Ho Kim・Nyun Namgung・Byoung Yun Jung・In Kee Paik・Dong Yong Kil

(研究ノート)
トルトラズリルおよびその主な代謝物質のブロイラーにおける経口投与後の薬物動態および代謝
Myoung-Seok Kim・Byung-Kwon Park・Youn-Hwan Hwang・In-Bae Song・Tea-Won Kim・Jung-Hee Cho・Sung-Ho Ham・Jong-Hwan Lim・Hyo-In Yun

生理・繁殖
SOCS3によるニワトリレプチン受容体を介した細胞内情報伝達の阻害機構
安達洋泉・村瀬大輔・大久保武


(研究ノート)
ニワトリの肝臓と筋肉におけるヘキソキナーゼおよびグルコキナーゼmRNA発現の胚発生に伴う変化
Tushar Kanti Roy・岩澤 淳・志水泰武・景山幸二・吉崎範夫


免疫・衛生
ブロイラーヒナ腸管のT細胞分布に及ぼすプロバイオティクスの影響
黄 安琪・柴田愛梨・西村春香・五十嵐靖美・磯部直樹・吉村幸則

 




母ドリ卵黄への免疫グロブリンの輸送機構

村井篤嗣

名古屋大学 大学院生命農学研究科 応用分子生命科学専攻, 名古屋千種区不老町 464-8601
 

母ドリの血中IgYは卵黄を介して次世代ヒナへと輸送され、病原菌等の感染からヒナを守る。母ドリからヒナへのIgYの輸送過程は2つの段階に分けられる。第1段階は母ドリの血液循環か卵母細胞内(卵黄)への輸送である。第2段階は発生卵で見られる、卵黄から発生胚の血液循環への輸送である。第2段階で は、卵黄嚢膜で発現するIgY-Fc受容体のFcRYによってIgYが輸送される。しかし、第1段階の詳細な輸送機構はいまだ不明である。本総説では IgYやヒトIgGなどの免疫グロブリンが母ドリの卵黄に輸送されるために必要な構造条件、ならびに、現在考え得る卵胞でのIgYの輸送機構について概説した。近年の研究で、母ドリの卵胞でIgYのCυ3領域とCυ4領域の境界面を識別する選択的なIgY輸送機構の存在が明らかになった。

キーワード:卵黄, Fc, IgY, 免疫グロブリン, 母子免疫, 卵胞  


ハト(Columba livia)のLDH-A遺伝子の多型

Sherif RAMADAN1,2・山浦純一3・三宅武4・井上-村山美穂1

1京都大学野生動物研究センター,京都市 606-8203
2ベンハ大学獣医学部,モシュトホル 13736,エジプト
3日本鳩レース協会 常南連合会,柏市 277-0085
4京都大学大学院農学研究科,京都市 606-8502  


ハト(Columba livia)には,品種改良の長い歴史があり,その目的のひとつは,帰巣能力を利用したレースである.本研究では,合計221個体について,乳酸脱水素酵素-A遺伝子(LDH-A)のイントロン5の全長およびエクソン5と6の一部の塩基配列を解析した.イントロン5に,計6か所の変異,すなわち1か所の挿 入・欠失と5か所のSNPが見いだされた.挿入・欠失による600bpと595bpの対立遺伝子頻度に,レース集団と他集団の間で,日本とエジプトの両方 で有意差が見いだされ,レース集団は600bpを高頻度に持っていた(P < 0.0001).また日本の集団間では3か所のSNPにおいて対立遺伝子頻度の有意差が観察され,エジプトの集団間でも,有意差は認められないものの同様の傾向が確認された.本研究により,ハトLDH-A遺伝子の多型が,レースバトの育種において,帰巣能力のマーカーになる可能性が示された.

キーワード:DNA多型、LDH-A遺伝子、ハト  


大シャモと白色レグホーンに基づくF2資源家系における鶏肉色に関するQTLマッピング

吉田 農1・石川 明2, 3・後藤達彦1, 3, 4・後藤直樹1, 5・西堀正英1, 3・都築政起1, 3

1 広島大学大学院生物圏科学研究科, 〒739-8528 東広島市鏡山
2 名古屋大学大学院生命農学研究科, 〒464-8601 名古屋市千種区不老町
3 広島大学日本鶏資源開発プロジェクト研究センター, 〒739-8528 東広島市鏡山
4 現所属: 茨城大学農学部生物生産科学科, 〒300-0393 茨城県稲敷郡阿見町
5 現所属:Institute de Sélection Animale B.V., 5830 AC Boxmeer, The Netherlands-EU


鶏肉の「色」は経済上重要な形質である。本形質の発現には、量的形質遺伝子座(quantitative trail loci: QTL)、環境、ならびに両者の相互作用が関与している。本研究では、大シャモと白色レグホーンに基づくF2資源家系を用いて、ベイズ法に基づくQTL解析により、鶏肉色に関与しているQTLの検出を行った。解析対象とした形質は、非破壊および破壊(挽肉)条件下における、胸肉および腿肉のL*値(明るさ)、a*値(赤味の程度)およびb*値(黄色味の程度)である。総計280の20週齢F2個体を用いて、21の常染色体に存在する88のマイクロサテラ イトDNAマーカーのタイピングを行った。 QTL解析の結果、鶏肉色に関与するQTL領域を9つ発見した。その内訳は、第1染色体上に2つ、第2染色体上に2つ、第3、7、9、17および24染色 体上にそれぞれ1つずつであった。これらのQTLの中には、1つの形質に対し1種類の遺伝的効果をもつものの他に、同一形質に対し複数種類の遺伝的効果を もつもの、あるいは異なる形質に対し異なる遺伝的効果をもつものなど様々なものが存在した。例えば、第3染色体上のQTLは、非破壊胸肉のb*値に関し主 効果、性特異的効果および相互作用効果の3種の遺伝的効果を示すことに加え、腿挽肉のL*値に関し相互作用効果を示した。第7染色体上のQTLは、非破壊胸肉のa*値に関しては性特異的効果をもち、腿挽肉のb*値に関しては相互作用効果をもった。 これらの結果より、鶏肉色に対する遺伝的支配が複雑であることが示された。また本研究において、鶏肉色に関し相互作用効果をもつQTLを検出したが、これ は初の事例である。

キーワード:ニワトリ, 肉色, 量的形質遺伝子座, 相互作用効果, ベイズ法  


コレシストキニンA受容体遺伝子の一塩基多型が比内鶏の発育形質に及ぼす影響

力丸宗弘1,4・武田尚人2・上本吉伸3・小松恵1・高橋大希1・鈴木啓一4・高橋秀彰2

1秋田県畜産試験場 秋田県大仙市神宮寺字海草沼谷地 019-1701
2独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所 茨城県つくば市池の台 305-0901
3独立行政法人家畜改良センター 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字小田倉原 961-8511
4東北大学大学院農学研究科 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町 981-8555


コマーシャル鶏「比内地鶏」生産に活用している秋田県畜産試験場の比内鶏系統は,比内鶏保存会系統から分離し,発育形質の改良を目的として閉鎖群育種されたものである。我々は,これまでに,発育が早い秋田県畜産試験場系統個体と発育が遅い保存会系統個体を交配し,作出したF2家系において,コレシストキニンA受容体 (CCKAR) 遺伝子のハプロタイプとF2個体の発育形質の間に,有意な関連性があることを報告した。本研究では,同F2家系においてCCKAR遺伝子の5’非翻訳領域に存在する一塩基多型 (SNP, AB604331 : g.420 C > A) と発育形質との関連性について調査を行った。同SNPを効率的に検出するため,ミスマッチ増幅変異アッセイ法を開発し,F2個体に出現する3つの遺伝子型 (A/A, A/C, C/C) を識別した。各SNPアリルが持つ発育形質に対する効果の推定を行ったところ,Aアリルは,10,14週齢体重,4-10,10-14,0-14週齢増体重において,Cアリルよりも有意に優れていることがわかった。同SNPは,転写因子YY1の推定結合部位に存在するため,AおよびCアリルに対応する DNA断片とYY1との結合能の違いを,ゲルシフトアッセイによって検出した。その結果,Aアリルに対応するDNA断片は,CアリルのDNA断片より も,YY1に対する強い結合親和性を示し,同SNPがCCKAR遺伝子の転写効率に影響を及ぼしている可能性が示唆された。次に,2010年に飼育されていた秋田県畜産試験場と保存会系統のSNPアリル頻度を比較したところ,Aアリルの頻度は,それぞれ0.889と0.124であった。アリル頻度の違いが,機会的遺伝浮動によって生ずる確率を,両系統が分岐した後の世代数と系統の有効な大きさを基に計算した結果,その確率は1%未満であった。このことか ら,2系統間におけるアリル頻度の違いは,発育形質を目的とした長年の選抜によって生じたものであることが示唆された。

キーワード:ニワトリ,コレシストキニンA受容体遺伝子,発育形質,比内鶏,一塩基多型  


ニワトリ血中脂質成分濃度と抗酸化能に対するケトジェネック飼料給与の影響

大津晴彦1・矢ヶ部陽子1・山崎信1,2・村上斉1・阿部啓之1

1独立行政法人農業食品産業技術研究機構 畜産草地研究所 305-902 茨城県つくば市池の台
2 (2現所属 独立行政法人農業食品産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター 861-1192 熊本県合志市須屋2421)


肝臓での脂肪酸酸化の中間代謝物であるケトン体(βヒドロキシ酪酸、アセト酢酸)はエネルギー源としてのみならず、様々な生理作用を有する。本試験ではケトン体産生を亢進すると考えられるケトジェニック飼料(高脂肪、低タンパク質、低炭水化物飼料)をニワトリに給与し、血中脂質成分、抗酸化機能に対するケトン体産生亢進の影響を検討した。血液中βヒドロキシ酪酸濃度はケトジェニック飼料給与によりコントロールに比べ有意に増加したが、アセト酢酸濃度は変化しなかった。遊離脂肪酸および総コレステロール濃度はケトジェニック飼料給与により上昇し、トリグリセリド濃度は低下した。また、ケトジェニック飼料給与は血漿中総抗酸化能を低下させたが、酸化ストレスマーカーの一つであるTBARsも同時に低下した。前試験でケトジェニック飼料給与によるエネルギー摂取量の低下が観察されたため、制限給餌区を設け、エネルギー摂取量低下とケトジェニック飼料給与の影響を同時に検討した。その結果、血漿中βヒドロキシ酪酸濃度、遊離脂肪酸濃度、総コレステロール濃度、総抗酸化能およびTBARsに対するエネルギー摂取量低下の影響は見られなかった。以上より、ニワトリにお けるケトジェニック飼料給与によるケトン体産生亢進は、血中脂質成分を変化させると共に、血中総抗酸化能を低下させることが示された。

キーワード:ケトン体、酸化ストレス、ケトジェニック飼料、血中脂質成分  


Aspergillus awamoriおよびSaccharomyces cerevisiaeの飼料添加がブロイラーヒナの成長に及ぼす相乗効果;骨格筋におけるタンパク質代謝の促進および脂肪酸組成の変化

アハメド・A・サーレ1・林國興2・大塚彰3

1カフルエルシェイク大学・農学部・家禽生産学科 33516カフルエルシェイク、エジプト
2源麹研究所 〒899-6404霧島市溝辺876-15
3鹿児島大学・農学部・生物資源化学科 〒890-0065鹿児島市郡元1-21-24


本研究では、Aspergillus awamoriおよびSaccharomyces cerevisiaeの同時飼料添加が、ブロイラーの成長ならびに骨格筋のタンパク質代謝および脂肪酸組成の特性に及ぼす影響を調べた。15日齢のヒナを、対照区(基礎飼料)、同飼料にA. awamoriを0.05%添加した区、S. cerevisiaeを0.10%添加した区、および両者を同時添加した区に分け(7羽/区)、12日間の飼養試験を行った。ヒナの成長は全ての添加区で促進され、増体量、飼料要求率、浅胸筋重量、飼料のタンパク質消化率においてA. awamoriおよびS. cerevisiae同時添加による相乗効果が観察された。血漿3-メチルヒスチジン濃度はA. awamoriとS. cerevisiaeの同時添加により相乗的に減少した。筋組織におけるタンパク質分解関連因子の遺伝子発現量は、全ての添加区で減少した。反対に、ミオシンおよびアクチンの遺伝子発現量は、同時添加によって相乗的に増加した。腹腔内脂肪重量および血漿中性脂肪濃度はA. awamori単独あるいはS. cerevisiaeとの同時添加によって減少したが、S. cerevisiae単独では効果が無かった。一方で筋組織の脂質含量は、全ての添加区で増加し、興味深いことに、飽和脂肪酸含量は減少し、不飽和脂肪酸含量は増加していた。この脂肪酸組成の変化は、Δ6脂肪酸不飽和化酵素の遺伝子発現量の変化と部分的に関連していた。以上より、A. awamoriおよびS. cerevisiaeの同時添加は、骨格筋タンパク質代謝の促進を介して、飼養成績を相乗的に改善することが明らかとなった。加えて、A. awamoriおよびS. cerevisiaeは筋組織の脂肪酸組成の特性に変化をもたらすことが示された。

キーワード:Aspergillus awamori、ブロイラー、脂肪酸、タンパク質代謝、Saccharomyces cerevisiae 


SOCS3によるニワトリレプチン受容体を介した細胞内情報伝達の阻害機構

安達洋泉1,2・村瀬大輔1,2・大久保武1,2

1茨城大学農学部 茨城県稲敷郡阿見町 300-0393
2東京農工大学連合農学研究科 東京都府中市 183-8509  


脂肪細胞由来のホルモンであるレプチンは、鳥類を含む脊椎動物の摂食やエネルギー代謝に関与している。我々は最近、レプチンがニワトリレプチン受容体を介してJak-STAT経路を活性化することを見出した。しかしながら、哺乳類で示されているSOCS3によるレプチン情報伝達阻害は鳥類では明らかにされていない。そこで本研究ではニワトリレプチン受容体を通じた情報伝達におけるSOCS3の役割について解析した。レプチンはニワトリ肝ガン細胞におけるSOCS3 mRNA発現を増加させた。またレプチンは、ニワトリレプチン受容体発現細胞株において、ニワトリSOCS3遺伝子プロモーターの転写活性を上昇させた。 細胞内でのニワトリSOCS3の過剰発現は、Jak2とSTAT3のリン酸化を抑制することでレプチン情報伝達を阻害するが、哺乳類とは異なり、レプチン受容体のSOCS3結合部位の変異がレプチン情報伝達を回復させなかった。またニワトリSOCS3の25番目のフェニルアラニンの変異がSOCS3の作用を消失させることが示された。以上本研究により、SOCS3はニワトリにおいても哺乳類と同様にレプチンの負のフィードバック制御因子として働くが、その 阻害様式は哺乳類とは異なる可能性が示された。

キーワード:ニワトリ、レプチン、SOCS3, Jak-STAT,、細胞内情報伝達  


ニワトリの肝臓と筋肉におけるヘキソキナーゼおよびグルコキナーゼmRNA発現の胚発生に伴う変化

Tushar Kanti Roy1・岩澤 淳2・志水泰武2・景山幸二3・吉崎範夫1,2

1岐阜大学大学院連合農学研究科,岐阜市 501-1193
2岐阜大学応用生物科学部,岐阜市 501-1193
3岐阜大学流域圏科学研究センター,岐阜市 501-1193


本研究では,解糖系の最初の反応を触媒する酵素であるヘキソキナーゼ(HK; EC 2.7.1.1)およびグルコキナーゼ(GK; EC 2.7.1.2, 別称HKIV)mRNA発現の胚発生に伴う変化を調べた。孵卵11日目から21日目までの白色レグホーン系ニワトリ胚から肝臓と骨格筋を採取し,HKI,HKIIおよびGKのmRNA発現を逆転写−PCRによって半定量的に測定した。肝臓ではHKIのmRNAは観察期間を通じて次第に減少し,GKのmRNAは次第に増加した。骨格筋では,HKIは孵卵13日目に増加し,その後ほぼ一定で推移したがGKは次第に減少した。HKIIのmRNA 発現は肝臓でも骨格筋でも孵卵13日目に増加した後に一定で推移する傾向があった。これらの結果から,肝臓においては胚発生過程を通じて次第にGKがHK よりも主要な酵素となっていく可能性が示唆された。また,胚期の骨格筋のGKが活性のあるタンパク質に翻訳されているか否かについては今後解明を要する。

キーワード:ニワトリ,胚,グルコキナーゼ,ヘキソキナーゼ,胚発生  


ブロイラーヒナ腸管のT細胞分布に及ぼすプロバイオティクスの影響

黄 安琪1・柴田愛梨2・西村春香2・五十嵐靖美3・磯部直樹1・吉村幸則1

1広島大学大学院生物圏科学研究科, 東広島市739-8528;
2広島大学生物生産学部, 東広島市739-8528;
3東亜薬品工業株式会社動薬開発部,渋谷区笹塚151-0073


本実験はブロイラー腸管のT細胞サブセットの分布に及ぼすプロバイオティクス給与の影響を明らかにすることを目的とした。ブロイラーヒナに初生時から基礎飼料(対照区)または0.2%プロバイオティクス(Streptococcus faecalis, Clostridium buthricum, Bacillus mesentericus)添加飼料(プロバイオティクス区)を給与した。0日(給与前)、7及び14日間の給与後に、回腸、盲腸および直腸の凍結切片を作製し、CD4, CD8及びTCRγδに対する免疫染色を施した。すべての供試鶏で粘膜固有層にCD4+, CD8+及びTCRγδ+ T細胞が検出された。7日及び14日給与後の粘膜上皮では、CD8+T細胞がプロバイオティクス区の回腸、盲腸および直腸、対照区の盲腸で認められ、 TCRγδ+ T細胞が対照区とプロバイオティクス区のすべての標本で検出された。CD4+, CD8+及びTCRγδ+ T細胞の分布頻度は給与0日から14日まで加齢に伴う増加を示した。給与7日と14日後において、CD4+とTCRγδ+ T細胞の分布頻度は対照区とプロバイオティクス区との間で差を示さなかった。しかし、CD8+ T細胞の分布頻度は、7日間給与後に回腸と直腸(P< 0.05)及び盲腸(P< 0.01)において対照区よりプロバイオティクス区で高かった。14日間給与後にはこの差は認められなかった。CD8+ T細胞: CD4+ T細胞の比はどの組織においても1.0以上でCD8+ T細胞がCD4+ T細胞より多いことが示された。7日間給与後の回腸で、この比は対照区よりプロバイオティクス区で高かった(P<0.05)。以上の結果から、若齢ヒナにおいてプロバイオティクス給与は腸管粘膜のCD8+T細胞を増加させ、細胞傷害性CD8+T細胞による腸管免疫を強化することが示唆された。

キーワード:ブロイラーヒナ、腸管、粘膜免疫、T細胞、プロバイオティクス

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